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【住宅ローン】5年ルールと125%ルールに注意

更新日:2024年11月17日

投稿者:荻野 淳

こんにちは、荻野です。
今年に入り、長く続いたマイナス金利政策が解除され、政策金利を引き上げたのは17年ぶりです。
これに伴い、10月基準の変動金利も引き上げられ、涙ちょちょぎれそうなのは、私だけではないでしょう。
数年前時点で、住宅ローン新規借入者の8割超が、変動金利を選択しており、これからの金利上昇に戦々恐々としている方も多いと思います。ただし、今すぐ毎月の返済額が変わるわけではありません。
そこで今回は、変動金利型の住宅ローンについて、注意点をまとめていきます。

1.5年ルール
多くの金融機関では「5年ルール」が採用されています。
5年ルールとは、金利が上昇しても5年間は返済額が変わらない措置です。変動金利型は、通常半年単位で金利が見直されますが、返済額が変更されるのは、6年目、11年目、16年目のように5年毎となります。では、5年経つまでは金利上昇はどのように影響するのでしょうか。これは「元金と利息の内訳が変わる」ことになります。
例えば、現在の月返済額10万円(元金9万円+利息1万円)で、金利が2倍になった場合、月返済額10万円は当面の間変わらず、内訳が「元金8万円+利息2万円」になります。これを知らずに預金通帳の引落額だけを見ていると「金利が上がるとか言ってたけど、前と変わらないじゃん」と勘違いをすることになります。返済額は変わらずとも「元金の減る速度が遅くなる」ことに注意が必要です。

2.125%ルール
5年ルールと同様に、「125%ルール」も多くの金融機関で採用されています。ただしこちらは、現在の日本において実現可能性はかなり低いと思いますが、アメリカのように金利が急激に上昇した場合は、実際に起こり得る話となります。
125%ルールとは、前述の5年ルールにより返済額が増えるときは、「それまでの返済額の125%」が上限となります。例えば月返済額10万円の場合、見直し後の返済額は、12.5万円が上限となります。

これら「5年ルール」「125%ルール」により、金利が大幅に上昇しても返済額が急に増えることはありません。しかしながら、実際には金利の支払が免除されているわけではなく、支払が先送りにされているだけです。
変動金利型住宅ローンを組む場合、①金利が上昇した場合の返済額を予め試算し、余裕を持った借入額で設定する。②繰上返済をし過ぎることなく、ある程度の現金を手元に確保しておく、といった対策が必要です。

ちなみに、年2回基準金利を見直す変動金利型ローンの場合、多くは毎年4月1日・10月1日基準で金利が改定されますが、実際の適用金利が変わるのは、それぞれ6月・12月の返済日が終わった後となります。つまり、今年10月1日基準で金利が改定されていても、本ブログ公開時点では、まだ旧金利(低いまま)が適用されています。
普段、返済予定表をよく見ていない方も、今回の見直しは影響が大きいので、来年以降の返済額がどのように変わるのか、きちんと見ておいた方が良いでしょう。

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